Linux基本コマンド:最後に確認問題付き
Linuxのコマンドラインは、システムの操作や管理に不可欠なツールです。
初めてLinuxを触る方でも、この入門記事を読んで、基本的なコマンドの使い方をマスターしましょう。
これから、様々なコマンドを学んでいく前にまずは初学者が最低限覚えておくべき
比較的簡単かつ実用的なコマンド達をご紹介します。
実際に自分で手を動かし、コマンドを入力しながら進めていきましょう。
1. コマンドラインの基本操作
シェルとは?
まず、Linuxのコマンドラインを操作するための環境である「シェル」について簡単に説明します。
シェルは、ユーザーが入力したコマンドを解釈し、システムに指示を与える役割を持っています。
多くのLinuxディストリビューションでは、Bash(Bourne Again SHell)がデフォルトのシェルとして使用されています。
コマンドの構成
Linuxコマンドは基本的に次のように構成されています。
コマンド オプション 引数
- コマンド:実行したい操作を指示する命令
- オプション:コマンドの挙動を変更するための設定
- 引数:操作対象となるファイルやディレクトリ
例えば、ls
コマンドを使ってディレクトリの内容を表示する場合、次のように入力します。
ls -l /home
ここで、ls
がコマンド、-l
がオプション、/home
が引数です。
2. 基本コマンドの紹介と具体例
2.1 ls
コマンド – ディレクトリの内容を表示
ls
コマンドは、指定したディレクトリ内のファイルやフォルダを表示します。
オプションを追加することで、詳細情報も表示可能です。
ls
このコマンドを実行すると、カレントディレクトリ内のファイル一覧が表示されます。
オプション付き例:
ls -l
-l
オプションを付けると、ファイルの詳細情報(権限、所有者、サイズ、最終更新日時)が表示されます。
ls -a
-a
オプションを使うと、隠しファイル(.
で始まるファイル)も表示されます。
※隠しファイルは、OSの起動時に必要なファイルなどです。
誤ってユーザが削除してしまわないように普段は表示が
されないようになっています。
2.2 cd
コマンド – ディレクトリを移動
cd
コマンドは、カレントディレクトリを変更するためのコマンドです。ディレクトリを移動して、他の場所にあるファイルやフォルダにアクセスできます。
/home/user/documents
このコマンドを使って、/home/user/documents
ディレクトリに移動します。
ホームディレクトリに戻る:
cd ~
~
はホームディレクトリを指すショートカットです。
一つ上のディレクトリに移動する:
cd ..
..
は親ディレクトリを意味します。
2.3 pwd
コマンド – 現在のディレクトリを確認
現在、自分がどのディレクトリにいるのかを確認するには、pwd
コマンドを使います。
pwd
このコマンドを実行すると、カレントディレクトリのパスが表示されます。
ファイル操作を行う前に、自分がどのディレクトリにいるのか確認するために役立ちます。
2.4 mkdir
コマンド – ディレクトリを作成
新しいディレクトリ(フォルダ)を作成するには、mkdir
コマンドを使います。
mkdir new_folder
このコマンドで、カレントディレクトリに new_folder
という新しいディレクトリが作成されます。
2.5 touch
コマンド – 新しいファイルを作成
空のファイルを作成するには、touch
コマンドを使います。
touch newfile.txt
このコマンドで、newfile.txt
というファイルがカレントディレクトリに作成されます。
ファイルを作成してから、エディタで内容を編集する際に便利です。
2.6 cp
コマンド – ファイルをコピー
ファイルやディレクトリをコピーするには、cp
コマンドを使います。
cp oldfile.txt newfile.txt
このコマンドで、oldfile.txt
をコピーして
newfile.txt
という名前で保存します。
ディレクトリを再帰的にコピー:
cp -r dir1 dir2
-r
オプションを付けることで、
ディレクトリとその中身を再帰的(下の階層まで丸ごと)にコピーできます。
2.7 mv
コマンド – ファイルを移動または名前変更
mv
コマンドは、ファイルを移動したり、名前を変更したりするために使用します。
mv oldfile.txt newfile.txt
このコマンドで、oldfile.txt
を newfile.txt
に名前変更します。
ディレクトリ間でファイルを移動:
mv file.txt /home/user/documents/
このコマンドで、file.txt
を /home/user/documents/
に移動します。
2.8 rm
コマンド – ファイルやディレクトリを削除
不要なファイルやディレクトリを削除するには、rm
コマンドを使います。
rm file.txt
このコマンドで、file.txt
を削除します。
ディレクトリを再帰的に削除:
rm -r folder_name
-r
オプションを付けることで、ディレクトリとその中のファイルも削除できます。
ただし、削除は元に戻せないので注意が必要です。
2.9 cat
コマンド – ファイルの内容を表示
ファイルの内容を確認するには、cat
コマンドを使います。
cat file.txt
このコマンドで、file.txt
の内容がターミナルに表示されます。
3. 実践練習:簡単なファイル操作をしてみよう
ここまでで学んだコマンドを使って、実際に簡単なファイル操作をしてみましょう。
- 新しいディレクトリ(test_directory)を作成しましょう。
- 作成したtest_directoryに移動しましょう。
- 空のファイル(test_file.txt)を作成しましょう。
- ディレクトリ内を表示して確認し、ファイルが作成されたことを確認しましょう。
- ファイルの名前をrenamed_file.txtに変更しましょう。
- ファイルの内容を表示してみましょう(何も記述してないためこの段階では空のままです)。
- ファイルとディレクトリを削除しましょう。
答え合わせ
1.
mkdir test_directory
2.
cd test_directory
3.
touch test_file.txt
4.
ls -l
5.
mv test_file.txt renamed_file.txt
6.
cat renamed_file.tx
7.
rm renamed_file.txt
rmdir test_directory
4. まとめ
この記事では、Linuxの基本コマンドを学びました。
これらのコマンドは、日常的なファイル操作やシステム管理に欠かせません。
初心者でも、まずは最低限これらのコマンドを覚えておけば、
Linuxの学習、もしくはLinux環境での作業がスムーズに進むはずです。
さらに実践的に学びを進めるために、コマンド編・サーバー編の記事を読み
学習を進めていきましょう!