Linuxにおけるディスクとは?
Linuxでは「ディスク」と言っても多くの種類や役割があり、初心者が混乱するポイントの一つです。
この記事では、Linuxで使用されるディスクの基礎知識、具体的な種類、ディスク管理の操作を詳しく説明します。
特に、LPIC試験でも問われる内容に即して解説し、学習や実務に役立てられるようにしています。
ディスクの種類
Linuxで使用されるディスクは、物理的なものと仮想的なものに分かれます。
- 物理ディスク
実際に存在するハードディスクやSSDのことを指します。たとえば、サーバーやPCに組み込まれているハードディスクがこれに該当します。Linuxではこれを/dev/sda
や/dev/nvme0n1
のようなデバイス名で認識します。 - 仮想ディスク
仮想化環境やクラウドで使用されるディスクです。物理的なハードウェアを共有しているため、実際のディスクとは異なりますが、Linuxのシステム上では同様に/dev/sda
のように認識されます。
SSDとハードディスクの違い
Linuxシステムで使用されるディスクは、大きく分けて
SSD(Solid State Drive)とHDD(Hard Disk Drive)の2種類があります。
それぞれの特徴と用途を理解することは、適切なディスク選定と管理に重要です。
SSD(Solid State Drive)の特徴
- 速度: SSDはフラッシュメモリを使用しており、HDDに比べてデータの読み書き速度が非常に高速です。そのため、システムの起動やアプリケーションの読み込みが速くなります。
- 耐久性: 機械的なパーツがないため、HDDよりも耐久性が高く、振動や衝撃に強いのが特徴です。
- 静音性: 駆動部分がないため、動作中でも非常に静かです。
- 価格: 容量あたりの価格はHDDに比べて高めです。
SSDは主に高速なデータアクセスが求められる用途、
たとえばOSやアプリケーションのインストール先として最適です。
また、データベースや仮想マシン環境など、ランダムアクセスが多いシステムにも向いています。
HDD(Hard Disk Drive)の特徴
- 容量: HDDは磁気ディスクを使用しており、容量あたりのコストが安価なため、大容量データの保存に向いています。数テラバイトのデータを安価に保存したい場合に最適です。
- 速度: SSDに比べると読み書き速度は遅いですが、大容量データの長期保存には問題ありません。
- 機械的な耐久性: 回転するディスクと読み書きヘッドがあるため、振動や衝撃に弱く、故障リスクが高いです。
- 騒音: ディスクの回転音や読み書き時の音が発生するため、SSDに比べて騒音が気になります。
HDDは主に大容量データの保存、たとえばバックアップやアーカイブの用途に向いています。
安価な大容量ストレージが必要な場合に選択されます。
ディスクの役割と構造
Linuxシステムはファイルシステムによってディスク上のデータを管理しています。
ディスクにはデータが書き込まれるセクターがあり、その中でファイルやディレクトリが格納されます。
主な役割は以下の通りです。
- データの保管
データを永続的に保存し、電源がオフになっても保持されます。 - ファイルシステムの管理
ファイルシステムを構成し、ディレクトリやファイルの階層構造を管理します。たとえば、ext4
やXFS
などのファイルシステムが利用されます。
ディスクのフォーマットとパーティション
ディスクを利用するには、最初にフォーマットし、ファイルシステムを作成します。
また、大きなディスクは用途に応じて複数のパーティションに分けることが可能です。
例えば、システムファイル用、データ用などに分けて管理することが推奨されます。
Linuxではfdisk
やparted
などのコマンドでこれらを行います。
LPIC試験とディスク管理
LPIC-1の試験では、ディスク管理の基礎知識が問われます。
特に、ディスクのマウントやパーティションの設定、ファイルシステムの選択といった基本操作が重要です。
ほんの一例ですが、次のようなコマンドを使用してディスクの状態を確認します。
df -h # ディスクの使用状況を確認する
lsblk # ディスクのパーティション情報を表示する
mount # ディスクをマウントする
より詳しく、マウントコマンド、パーティションの作成、ファイルシステムの作成を学びたい方は
下記の記事をご覧ください。
5. ディスクの管理とトラブルシューティング
ディスクのエラーや障害はシステム運用に大きな影響を与えます。fsck
コマンドでファイルシステムのチェックを行ったり、
ログを確認してディスクの状態を監視することが重要です。
トラブルシューティングを行う際には、
システムログ(/var/log/messages
やdmesg
)を参照し、
問題が発生している箇所を特定します。
まとめ
Linuxのディスク管理を理解する際、SSDとHDDの特徴を押さえておくことは重要です。
システムの用途に応じて、どちらのディスクを選択するかを判断できるようになることで、
より効率的なディスク管理が可能になります。
LPIC試験でもディスクの基本知識が求められるため、
この記事を参考にしながらしっかりと学習を進めていきましょう。