目次
grep
の拡張正規表現オプション(-E
オプション)
GNUバージョンのgrep
では、通常の基本正規表現に加えて、拡張正規表現を使用することができます。
拡張正規表現は複雑なパターンの検索に便利で、複数の条件を柔軟に扱えるため、業務やログ解析などで重宝されます。
この機能を有効にするには、-E
オプションを指定します。-E
を使用することで、grep
は「egrep
」と同様の動作をしますが、GNUバージョンではegrep
とgrep -E
は機能的に同等です。
オプション -E
オプション | 説明 |
---|---|
-E | 拡張正規表現を使用して検索を行います。複数のパターンや特殊文字の扱いが容易になります。 |
拡張正規表現の使用例
複数パターンの検索(OR条件)
拡張正規表現では、パイプ記号 |
を使って複数のパターンを指定することができます。
使用例:
$ grep -E "error|fail|critical" logfile.txt
表示結果: logfile.txt
内で”error”、”fail”、”critical”のいずれかに一致する行が表示されます。
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グループ化と繰り返し(()
と {}
)
拡張正規表現を使うと、括弧 ()
でパターンをグループ化し、
{}
でその出現回数を指定することができます。
使用例:
$ grep -E "(error|fail){2}" logfile.txt
表示結果: “error”または”fail”が2回連続で現れる行が表示されます。
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文字クラスの利用([]
)
拡張正規表現の[]
で特定の文字セットを指定できます。
例えば、”[0-9]”は任意の数字を意味します。
使用例:
$ grep -E "[0-9]{4}-[0-9]{2}-[0-9]{2}" logfile.txt
表示結果: logfile.txt
内で”YYYY-MM-DD”の形式の日付(例えば”2024-11-04″)を含む行が表示されます。
開始と終了のアンカー(^
と $
)
^
は行の先頭、$
は行の末尾を表します。拡張正規表現を使うと、
特定の文字列で始まるまたは終わる行を見つけやすくなります。
使用例:
$ grep -E "^error|critical$" logfile.txt
表示結果: 行の先頭が”error”、または行の末尾が”critical”の行が表示されます。
-E
オプションを使う際の注意点
- 拡張正規表現では、
|
や()
などをエスケープする必要がありません。これは基本正規表現(grep
の通常モード)との大きな違いです。 - 拡張正規表現を使うことで、複雑な検索条件を簡潔に表現できますが、条件が複雑になると実行速度が遅くなる場合もあります。
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