目次
nl
コマンドとは?
nl
コマンドは、Linuxでテキストファイルの内容に行番号を付けて出力するためのコマンドです。
指定した形式で行番号をカスタマイズでき、スクリプトやログファイルの整備に役立ちます。
基本構文
nl [オプション] [ファイル]
- [オプション]: 行番号の設定やフォーマットをカスタマイズするためのオプション。
- [ファイル]: 行番号を付ける対象のテキストファイル。省略すると標準入力を利用。
主なオプション一覧
オプション | 説明 |
---|---|
-b TYPE | 行番号を付ける基準を設定(例: 空行を除外)。 |
-n FORMAT | 行番号のフォーマットを指定(例: 右寄せ、左寄せなど)。 |
-w NUMBER | 行番号の桁数を指定。 |
-s STRING | 行番号とテキストの間に挿入する文字列を指定。 |
-v NUMBER | 行番号の開始値を指定。 |
-i NUMBER | 行番号の増分を指定。 |
各オプションの実行例と結果
1. 基本的な行番号の付与
nl sample.txt
内容 (sample.txt):
This is line 1.
This is line 2.
This is line 3.
出力結果:
1 This is line 1.
2 This is line 2.
3 This is line 3.
2. 空行を除外して番号を付与 (-b t
)
nl -b t sample.txt
出力結果:
1 This is line 1.
2 This is line 2.
3 This is line 3.
3. 行番号のフォーマットを左寄せに設定 (-n l
)
nl -n l sample.txt
出力結果:
1 This is line 1.
2 This is line 2.
3 This is line 3.
4. 行番号の桁数を設定 (-w 4
)
nl -w 4 sample.txt
出力結果:
0001 This is line 1.
0002 This is line 2.
0003 This is line 3.
5. 行番号とテキストの間にカスタム文字列を挿入 (-s
)
nl -s ' -> ' sample.txt
出力結果:
1 -> This is line 1.
2 -> This is line 2.
3 -> This is line 3.
6. 行番号の開始値と増分を設定 (-v
と -i
)
nl -v 10 -i 5 sample.txt
出力結果:
10 This is line 1.
15 This is line 2.
20 This is line 3.
実用例
ログファイルの整理
ログファイルに行番号を追加し、特定のエラー行を容易に特定します。
nl /var/log/syslog | grep "error"
スクリプトのデバッグ
スクリプトファイルに行番号を付け、エラー行を確認しやすくします。
nl -b t script.sh
注意点
- デフォルトの動作: 空行も番号を付与します。空行を無視したい場合は
-b t
を使用してください。 - 大規模ファイル: 行番号の増分やフォーマットを適切に設定し、大規模なファイルでの使用時の可読性を向上させることが重要です。
まとめ
nl
コマンドは、行番号を付けるだけでなく、行番号のカスタマイズやフォーマット変更が可能な強力なツールです。
ログ管理やスクリプト作成時に活用し、作業効率を向上させましょう。