ディスクとファイルシステム管理の重要性
Linuxでのディスクやファイルシステムの管理は、システムの安定稼働に欠かせません。
本記事では、ディスクの使用状況確認やファイルシステムの管理に役立つコマンドを初心者向けにわかりやすく解説します。
df
コマンドでディスクの使用状況を確認
df
は、ファイルシステムごとのディスク使用状況を表示するコマンドです。
ディスクがどれだけ使われているかを確認する際に役立ちます。
df -h
オプション解説:
-h
: 容量を人間が読みやすい形式(MB、GB)で表示します。
これにより、ディスクの使用状況がより直感的に理解できます。
実行結果の例:
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/sda1 20G 15G 5G 75% /
結果の解説:
Filesystem
: ディスクやパーティション名。ここでは/dev/sda1
が対象です。Size
: ディスク全体の容量(20GB)。Used
: 使用中の容量(15GB)。Avail
: 空き容量(5GB)。Use%
: 使用率(75%)。Mounted on
: どのディレクトリにマウントされているか。ここでは/
(ルートディレクトリ)。
推測される事実: 使用率が75%なので、ディスクの空き容量にまだ余裕がありますが、
80%を超えたら容量を追加するか、データの削除を検討する必要があります。
du
コマンドでディレクトリのサイズを確認
du
は、指定したディレクトリやファイルの使用容量を表示するコマンドです。
特に、どのディレクトリがディスク容量を多く占めているかを調べる際に便利です。
du -sh /path/to/directory
オプション解説:
-s
: ディレクトリごとの合計サイズのみを表示します。-h
: 容量を人間が読みやすい形式で表示します。
実行結果の例:
1.5G /path/to/directory
結果の解説:
/home/user/documents
ディレクトリ全体のサイズは1.5GBです。
これにより、大きなディレクトリを特定し、ディスク容量を効率的に管理できます。
推測される事実: もしこのディレクトリが予想以上に大きければ、
中の不要なファイルを削除して容量を節約する必要があります。
mount
/ umount
コマンドでファイルシステムのマウントとアンマウント
mount
コマンドは、ファイルシステムを指定のディレクトリに接続(マウント)する際に使用します。
一方、umount
はその逆で、マウントを解除します。
sudo mount /dev/sdb1 /mnt
sudo umount /mnt
オプション解説:
-o ro
: 読み取り専用でマウントする場合に指定します。
実行結果の例:
mount: /mnt: /dev/sdb1 mounted.
結果の解説:
/dev/sdb1
というディスクが/mnt
ディレクトリにマウントされたことが確認されました。
これで、そのディスク内のファイルを/mnt
経由でアクセス可能になります。
推測される事実: 外部ストレージや新規パーティションの利用準備が整いました。
アンマウントしない限り、マウントされたディレクトリ経由で常にアクセス可能です。
fdisk
コマンドでディスクパーティションの管理
fdisk
は、ディスクパーティションの情報を確認したり、
新しいパーティションを作成・削除したりする際に使用します。
システムに複数のディスクがある場合や、ストレージの再構成を行いたいときに便利です。
sudo fdisk -l
実行結果の例:
Disk /dev/sda: 20 GB, 20000000000 bytes
Device Boot Start End Sectors Size Id Type
/dev/sda1 * 2048 39062500 39060453 19G 83 Linux
結果の解説:
/dev/sda1
は19GBのパーティションで、Linuxファイルシステム(ID 83)としてフォーマットされています。Start
とEnd
はパーティションの開始と終了位置を示します。
推測される事実: システムディスクのパーティション構成を確認でき、
新たなパーティションを作成するための空き領域がどれだけあるかも判断できます。
mkfs
コマンドでファイルシステムを作成
mkfs
コマンドは、指定したディスクまたはパーティションにファイルシステムを作成します。
新しいパーティションを作成した後に、このコマンドでファイルシステムを作成します。
sudo mkfs.ext4 /dev/sda1
オプション解説:
-t ext4
: ファイルシステムのタイプをext4
として指定します。
他にもxfs
やbtrfs
など、さまざまなファイルシステムを指定できます。
実行結果の例:
Creating filesystem with 5120000 4k blocks and 1280000 inodes
Filesystem created successfully.
結果の解説:
ext4
ファイルシステムが正常に作成され、/dev/sda1
が新たに使用可能なディスクとして準備完了です。
推測される事実: 新しくフォーマットされたディスクはすぐに使用できるようになり、
マウントしてファイルの保存が可能です。
fsck
コマンドでファイルシステムのチェックと修復
fsck
は、ファイルシステムの整合性をチェックし、エラーがあれば修復するためのコマンドです。
システムが予期せずシャットダウンした場合や、ディスクの異常を検知した場合に使用します。
sudo fsck /dev/sda1
実行結果の例:
/dev/sda1: clean, 512000/1280000 files, 4000000/5120000 blocks
結果の解説:
- ファイルシステムにエラーがないことを示す
clean
の表示。使用中のファイルやブロック数が確認できます。
推測される事実: 問題が発見されない限り、ファイルシステムは正常に動作しており、データの整合性も保たれています。
blkid
コマンドでブロックデバイスの情報を確認
blkid
コマンドは、ブロックデバイスのUUID(ユニークID)やファイルシステムタイプを表示します。
自動マウント設定やディスク管理の際に非常に便利です。
blkid
実行結果の例:
/dev/sda1: UUID="abcd-1234" TYPE="ext4"
結果の解説:
/dev/sda1
のUUIDとファイルシステムタイプ(ext4
)が表示されています。
推測される事実: UUIDは、/etc/fstab
ファイルでディスクの自動マウント設定に使用できる一意の識別子です。
ファイルシステムの種類も同時に確認でき、管理の効率化が可能です。