Linuxにおけるパーティションは、ディスクを論理的に分割するための重要な概念です。
この記事では、パーティションの定義、役割、名称の構造、関連するコマンドについて詳しく解説します。
パーティションの基本
パーティションとは?
パーティションは、物理ディスクを複数の論理的な部分に分けたものです。
これにより、異なるファイルシステムやデータを管理しやすくなります。
たとえば、1つのハードディスクを「OS用」と「データ用」の
2つのパーティションに分割することで、それぞれを独立して管理できます。
パーティション名の構造
Linuxでは、ディスクデバイスの名前は通常/dev/sdXY
という形式で表されます。
- s:SCSI(Small Computer System Interface)デバイスを示します。これはSATAやUSBドライブなど、さまざまなタイプのストレージデバイスにも適用されます。
- d:デバイスの種類を示します。通常、最初のディスクは
a
、次はb
というように続きます。たとえば、/dev/sda
は最初のディスク、/dev/sdb
は2番目のディスクを表します。 - X:ディスクの番号(a、b、c…)。
- Y:パーティションの番号。最初のパーティションは
1
、次は2
と続きます。たとえば、/dev/sda1
は最初のディスクの最初のパーティションを示し、/dev/sda2
は最初のディスクの2番目のパーティションを示します。
具体例
あなたのコンピュータに1TBのハードディスクがあるとします。
これを次のようにパーティション分けすることができます:
- /dev/sda1: OS用(Ubuntuなど)に200GB
- /dev/sda2: ユーザーデータ用に800GB
この分け方により、OSの更新やトラブルが発生しても、
ユーザーデータを安全に保つことができます。
パーティションの役割
- データの整理: 異なる用途やプロジェクトごとにデータを分けて管理できるため、バックアップや復元が容易になります。
- セキュリティ: パーティションを分けることで、特定のデータにアクセスする権限を制御しやすくなります。
- パフォーマンス: 大きなディスクを複数のパーティションに分割することで、ファイルシステムのパフォーマンスを向上させることができます。
パーティション管理に使うコマンド例
fdisk
fdisk
は、ディスクパーティションの作成や管理に使うコマンドです。
新しいパーティションを作成したり、既存のパーティションを表示したりできます。
sudo fdisk -l
このコマンドを実行すると、システムに接続されているディスクと
そのパーティションが一覧表示されます。
mkfs
mkfs
は、パーティションにファイルシステムを作成するためのコマンドです。
新しいパーティションを作成した後に、このコマンドを使用してファイルシステムをセットアップします。
sudo mkfs.ext4 /dev/sda1
このコマンドは、/dev/sda1
にext4ファイルシステムを作成します。
mount と umount
mount
コマンドは、パーティションを特定のディレクトリに接続(マウント)するために使用します。
一方、umount
はその逆で、マウントを解除します。
sudo mount /dev/sda1 /mnt
sudo umount /mnt
mount
コマンドの実行により、/dev/sda1
にマウントしたデータにアクセスできるようになります。
まとめ
パーティションは、Linuxシステムでディスクを効果的に管理するための基盤です。
正しいパーティションの設定により、データの整理、セキュリティ、パフォーマンスを向上させることができます。
これからLinuxを学ぶ際には、パーティションの概念をしっかり理解しておくことが重要です。