tailコマンドの概要
tail
コマンドは、ファイルの末尾から指定した行数やバイト数を表示するためのコマンドです。
デフォルトでは、ファイルの最後の10行が表示されますが、オプションを使って表示行数やバイト数を調整できます。
ログファイルの監視やエラーチェックなど、システム管理の場面で頻繁に使用されます。
オプション一覧表
オプション | 説明 |
---|---|
-n [行数] | 表示する行数を指定(デフォルトは10行) |
-c [バイト数] | 表示するバイト数を指定 |
-f | ファイルの末尾をリアルタイムで表示 |
--pid=[PID] | 指定したプロセスが終了するまで追尾を続ける |
-q | ファイル名のヘッダーを非表示にする |
-v | 常にファイル名のヘッダーを表示 |
オプションの詳細と使用例
-n [行数]
オプション
指定した行数だけファイルの末尾から表示します。
使用例:
tail -n 5 sample.txt
説明:sample.txt
ファイルの最後の5行が表示されます。
デフォルトは10行表示ですが、このオプションで行数を変更可能です。
出力例:
Line 6: Additional content.
Line 7: Yet more data.
Line 8: Another line here.
Line 9: Almost at the end.
Line 10: Final line of the file.
-c [バイト数]
オプション
ファイルの末尾から指定したバイト数だけ表示します。
使用例:
tail -c 20 sample.txt
説明:sample.txt
の末尾20バイト分の内容を表示します。
バイト単位での表示が可能で、大きなファイルの一部を確認する際に便利です。
出力例:
Final line of the file.
-f
オプション
ファイルの末尾を追尾し、追加された内容をリアルタイムで表示します。
ログファイルの監視に便利です。
使用例:
tail -f /var/log/syslog
説明:/var/log/syslog
の末尾をリアルタイムで追尾します。
新しいログが追加されるたびに自動で表示が更新されるため、システムの状況を監視できます。
出力例:
Nov 15 10:00:01 server CRON[1234]: (root) CMD (run-parts /etc/cron.daily)
Nov 15 10:01:02 server systemd[1]: Starting Cleanup of Temporary Directories...
--pid=[PID]
オプション
指定したプロセスが終了するまで、-f
オプションによる追尾を続けます。
使用例:
tail -f --pid=1234 /var/log/syslog
説明:
PID 1234のプロセスが終了するまで、/var/log/syslog
の末尾を追尾します。
特定のプロセスが動作している間だけログを監視したいときに便利です。
出力例:
Nov 15 10:00:01 server CRON[1234]: (root) CMD (run-parts /etc/cron.daily)
-q
オプション
複数のファイルを指定した場合、ファイル名のヘッダーを非表示にします。
使用例:
tail -q file1.txt file2.txt
説明:file1.txt
とfile2.txt
の内容を連続して表示します。
通常は各ファイルの内容の前にファイル名が表示されますが、このオプションでヘッダーを省略できます。
出力例:
Content from file1.txt
More content from file1.txt
...
Content from file2.txt
More content from file2.txt
...
-v
オプション
常にファイル名のヘッダーを表示します。
使用例:
tail -v file1.txt file2.txt
説明:file1.txt
とfile2.txt
の内容をそれぞれ表示し、必ずファイル名のヘッダーを表示します。
複数のファイルを扱うときにファイル名がわかりやすくなります。
出力例:
==> file1.txt <==
Content from file1.txt
More content from file1.txt
...
==> file2.txt <==
Content from file2.txt
More content from file2.txt
...
tailコマンドの実務での活用方法
- リアルタイムログ監視:
tail -f
を使ってログファイルの末尾を追跡することで、システムやアプリケーションの動作状況をリアルタイムに確認できます。 - デバッグ用途:エラーログやアクセスログの最新情報をすぐに確認できるため、問題発生時の迅速な対応に役立ちます。