wc
コマンド(word countの略)は、
テキストファイルの行数、単語数、文字数、バイト数をカウントするためのツールです。
単独で使用したり、他のコマンドと組み合わせて使用することで、効率的なテキスト処理が可能になります。
本記事では、wc
コマンドの概要、オプション、実際の出力例について詳しく解説します。
目次
wc
コマンドの基本構文
wc [オプション] ファイル名
引数:
- ファイル名: カウント対象のテキストファイル。複数指定も可能。
標準入力:
- ファイル名を指定しない場合、標準入力を受け取ってカウントを行います。
オプション一覧
オプション | 説明 |
---|---|
-l | 行数を表示 |
-w | 単語数を表示 |
-m | 文字数を表示 |
-c | バイト数を表示 |
--help | コマンドのヘルプメッセージを表示 |
--version | wc コマンドのバージョンを表示 |
基本的な使用例と出力例
1. 全ての情報を取得する
wc sample.txt
例: 出力
5 10 50 sample.txt
説明:
5
: 行数10
: 単語数50
: バイト数
2. 行数だけを取得
wc -l sample.txt
例: 出力
5 sample.txt
3. 単語数だけを取得
wc -w sample.txt
例: 出力
10 sample.txt
4. 文字数を取得
wc -m sample.txt
例: 出力
50 sample.txt
5. バイト数を取得
wc -c sample.txt
例: 出力
50 sample.txt
標準入力を使用する
標準入力を用いる場合は、ファイル名を指定せず直接入力します。
echo "Hello world" | wc -w
例: 出力
2
説明:
- 入力したテキスト「Hello world」の単語数は2です。
複数ファイルをカウント
複数ファイルを指定すると、それぞれのカウントと合計が表示されます。
wc file1.txt file2.txt
例: 出力
5 10 50 file1.txt
7 15 70 file2.txt
12 25 120 total
説明:
- 各ファイルごとの行数、単語数、バイト数が表示され、最後に合計が示されます。
wc
コマンドの応用例
1. 行数が最も多いファイルを探す
ディレクトリ内のファイルの中で、行数が多いものを検索します。
wc -l *.txt | sort -n
例: 出力
5 file1.txt
10 file2.txt
15 file3.txt
sort -n
で行数が少ない順に並べ替えています。
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2. テキスト処理のパイプラインで使用
grep
やawk
などと組み合わせて使うことができます。
例: 特定の単語を含む行の数をカウント
grep "Linux" sample.txt | wc -l
例: 出力
3
説明:
- ファイル
sample.txt
内で「Linux」を含む行が3行あることを示します。
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wc
コマンドのメリットと用途
- 迅速なカウント: 大量のファイルやテキストデータの統計情報を取得できる。
- パイプライン処理: 他のUNIXコマンドと連携し、柔軟なテキスト処理が可能。
- シンプルで軽量: 無駄のない設計で効率的。